『社長、あなたは人に甘すぎる! 』のレビュー
2020/05/23
『社長、あなたは人に甘すぎる! 』とは
タイトル: [改訂新版] 社長、あなたは人に甘すぎる!
著者:木子 吉永
出版社:あさ出版; 改訂新版 (2016/5/25)
おススメ度
★★★★☆
(4点/5点満点)
『社長、あなたは人に甘すぎる! 』の概要
中小企業は「定数精鋭主義」がいちばん
・「社員なんかいらない」と考えてみることから始める
→「仕事が出来ない」=「給与に見合うだけの仕事が出来ていない」ということ
⇒社員がいるから問題が発生する
・同じ仕事がこなせるなら人数は少ないほうが良い
→社員を少数にすると精鋭になる(BY土光敏夫)
→社員を増やすことより減らすことの方がはるかに難しい
・人件費はリースだと思え
→月50万円かかる人は5年リースで3000万円の機械を入れるのと同じ
・粗利80万円を確保して規模を追わない経営をする
→頭脳を使わなければ80万円は稼げない
→単純作業では限界(付加価値を高めないと無理)
・創造性を発揮しなければならない仕事以外は出来るだけアウトソーシング
⇒人がいるから苦労する
人材の条件は「返事が良くて、朝に強くて、社長との相性が良い」こと
・会社の生き字引のような社員は大事な存在
・小さな会社に必要なのは素直な社員(イエスマンのほうが良い)
・職住近接の人を採用するとよい
・面接と合わせた判断材料としてアンケートに記入してもらう
(なぜ勤めたいのか、何が出来るか、会社とは?、前職をやめた理由など)
・いま追及しなければ、必ず悔やむことになる
⇒ツールに書かせて追及する
社員に本気で「知恵」と「やる気」を出させるための管理術
・会社の業務には「仕事」と「作業」の二種類がある
→「仕事」は創造性を求められる業務(営業、企画、開発など)
(「仕事」は会社にいなくても出来る)
→「作業」をしているだけなのに「仕事」をしている気になっている人がいる
・放任主義では失敗する
→西鉄ライオンズではなく管理野球の方が必要
(再発防止のためのマニュアルは要)
・空き時間に出来ることをいつも用意しておく
・問題意識のある人はやる気のある人
⇒問題意識を持つように仕向けることが必要(ツールを使う)
独自のツールを使って社員を「イヤでもやる人」に変えていく
・まず書かせることに意味がある
・社長の方針、指示を行き届かせる
→「再読」というツールを使用/答えを引き出す質問がポイント
⇒社長が根負けするわけにはいかない
・「人に頼むと悪いから」は自分が出来ないことの言い訳
→人に依頼できない社員は早く見抜いて直す
・社員の欠点は素直に指摘する
書かせるだけで社員はそんなに変わる
・一週間の発見を報告する「金曜情報」
→空白のまま提出させてはいけない
・悪かったことは書かせないようにする
→クレームのせいにする(クレームがあっても無くても出来なかったのに)
・「やる気度チェック表」で反省させる
→自己評価と現実との落差に気付かせる
・「人を使うにはツールを使え」
→「ああしろ、こうしろ」と口で言うだけでは、そのまま終わってしまう
新たに得られた知識・情報・気づき・考え方など
- 社員を追及することの重要性(追及しないと後で後悔する)
- ツールを活用して書かせることの重要性
- 社員を少数にすると精鋭になるという考え方
- 生き字引のような社員の重要性
『社長、あなたは人に甘すぎる! 』を読んで実行すること
- 重要な指示は口頭だけで行わず、ツールを作成して管理する。
『社長、あなたは人に甘すぎる! 』はこのような人にお勧めします
中小企業経営本を多く執筆している木子吉永さんの著作で、
2004年に出版された同タイトルの「改訂新版」ということです。
自分が経営者になったばかりの頃に木子さんの本を何冊か読みましたが
中小企業経営者に必要な心構えや、会社の運営方法について影響を受けた点もありました。
この本が本屋の新刊コーナーに置いてあったのですが、
その著者の名前を見て、懐かしさもあり、つい買ってしまった次第です。
相変わらず痛快な語り口で、小さな会社の経営に必要な考え方を鋭く突いており
改めて気付かされる部分が多数ありました。
こちらの意図通りに社員を動かし成果を出していくためには試行錯誤が必要ですが、
「社長が根負けするわけにはいかない」という言葉は、まさにその通りですよね。
いくら口で言っても殆ど効果はありません(または持続しません)ので、
結局はツールを活用して、管理・追及していくしかないですよね。
この本を参考にして、さっそく自社の業務に沿ったツールを作ってみましたが、
確かに効き目がありそうです。
この本に限らず、木子さんの著作は多くの中小企業経営者にとって
すぐに使えそうな会社運営上のヒントを得られることが多いと思います。
拡大志向ではなく、現実的な運営でしぶとく生き残る会社を目指す経営者には
かなりお勧めできると思います。
ということで、最後までお読みいただきありがとうございました!