『エッセンシャル思考』のレビュー
『エッセンシャル思考』とは
タイトル: エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
著者:グレッグ・マキューン
出版社:かんき出版 (2014/11/19)
おススメ度5>
★★★☆☆
(3点/5点満点)
『エッセンシャル思考』の概要
エッセンシャル思考とは何か
・「より少なく、しかしより良く」
→いま、自分は正しいことに力を注いでいるか?を問い続ける
⇒エネルギーの使いどころを必要最小限にする
・基礎となる3つの考え方
①選択:「選ぶこと」を選ぶ
②ノイズ:大多数は無価値、手を出さない(バフェットの例)
③トレードオフ:逃れられないので、自ら選び取る
・優秀な人ほど、成功のパラドックスに陥りやすい
見極める技術
◆「孤独」
・集中せざるを得ない状況に自分を置く
・考えるための余裕を作り出す
→毎日2時間、空白の予定を入れる
・本を読む時間をつくる
→ビルゲイツの「考える週」の例
◆「洞察」
・ジャーナリストの目を手に入れる
①日記を付ける
②現場を見る
③普通を知り、逸脱を探す
④問題を明確にする
◆「遊び」
・遊びは不可欠である
(選択肢や視野が広がる、ストレス軽減、脳を活性化)
◆「睡眠」
・「もう一時間眠れば、数時間分の生産性が手に入る」
・優秀な人ほどよく眠る
→ジェフベゾスは基本8時間、最低7時間、休日は12時間眠る
◆「選抜」
・「絶対にイエスと言い切れなければ、それはすなわちノーである」
・舞い込んできたチャンスの選抜法
チャンスを書き出す→最低限の基準を3つ書く→理想の基準を3つ書く
捨てる技術
◆「目標」
・目的は「かなり明確」を「完全に明確」にする。
→目的が明確でなければ人は動かない
→不明確だと、どうでもいい時間とエネルギーを浪費する
・本質目標を決める
◆「拒否」
・「大切なことを知っていれば断ることができる」
・上手にノーという
◆「キャンセル」
・サンクスコストバイアスに注意する
(×:ここで止めると、これまでの投資が無駄になる)
◆「編集」
・余剰を削り、本質を取り出す
→「良くする事は何かを削ることである」
・編集の4原則
①削除する:決断の本質は選択肢を減らすことである
②凝縮する:結果に対する行動の比率を減らす
③修正する
④抑制する:「何もしないこと」を選ぶこともある
◆「線引き」
・境界線を引くことで本当の力を発揮する
・面倒くさい人たちと一線を画す
しくみ化の技術
◆「バッファ」
・最悪の事態を想定する
・準備と計画に全力を注ぐ
・見積りは1.5倍で考える
◆「削減」
・ボトルネックを取り除く
(×:応急措置を積み重ねる)
・成果を生まない努力を止める
◆「前進」
・早く小さく始める
・地味でも着実に勝ちに行く
◆「習慣」
・リズムを守る(睡眠、食事、仕事)
→習慣を乱すような誘惑に負けない
・悪い癖を直す
→トリガーに着目し、別の有益なものと結びつける
◆「集中」
・現在に集中する
・集中の対象を一つに絞る
→人は一度に一つのことにしか集中できない
◆エッセンシャル思考のリーダーシップ
・人材の選別にこだわり抜く
・メンバーの役割を曖昧にしない
新たに得られた知識・情報・気づき・考え方など
- バッファの重要性を再認識
『エッセンシャル思考』を読んで実行すること
- 見積は1.5倍で考えるようにする
『エッセンシャル思考』はこのような人にお勧めします
2015年のベストセラーの一つとなった本ですよね。
帯には「99%のムダを捨て1%に集中する方法」などと書かれてました。
「エッセンシャル」か「非エッセンシャル」か、
という区分けで両者の行動や考え方の違いが整理されており、
「エッセンシャル」を実践するための方法が色々と記載されています。
ただ、本書の中でも述べられているのですが、
この本を読んですぐにエッセンシャル思考を実践していくことは
(特に日本人の場合)それなりにハードルが高い気がします。
エッセンシャル思考を自分のものとして定着させるには
時間をかけて少しずつ馴染ませていく必要がありそうです。
また「絶対にイエスと言い切れなければ、それはすなわちノーである」
「人材の選別(採用)にこだわり抜く」といった点については、
できれば誰もがそうしたいところなのですが、
特に中小企業では「妥協も必要」と考えざるを得ない場面も多いと思います。
個人的には、多忙な「仕事ができる系」のサラリーマンの方が読むと
より高い効果が見込めるような気がします。
もちろん、ベストセラーなだけのことはあって
仕事への取組み方等で有用なヒントになる点もいくつかはあると思いますし、
決して読んで無駄になる本ではありません。
ということで、最後までお読みいただきありがとうございました!