『リーダーのための経営心理学』のレビュー
2020/05/23
『リーダーのための経営心理学』とは
タイトル: リーダーのための経営心理学 人を動かし導く50の心の性質
著者:藤田 耕司
出版社:日本経済新聞出版社 (2016/6/25)
おススメ度
★★★★☆
(4点/5点満点)
『リーダーのための経営心理学』の概要
ビジネスの成功者は心の専門家
・松下幸之助
「会社を経営するうえで成功しようと思ったら、
人間とはこんなもんやという本質を知る。
そこから出発しないといかん」
・経営やビジネスは人を動かし導くこと
→人の心の性質について知ることは、
経営・ビジネスで成果を挙げる上で大きな意義がある
人を動かし導く4つの要素
「信頼(誰が伝えるか)と対話(何を伝えるか)」
(1)人間的信頼(感情≒快、不快)
(2)能力的信頼(論理≒合理的、非合理的)
(3)情緒的対話
(4)論理的対話
人間的信頼(人間が本質的に求めるもの)
・人は自分のことを認めてくれる相手を認めようとする
(好意の返報性、悪意の返報性)
・人に認められるための5つの方法
①否定しない
②褒める
③感謝の言葉を伝える
④聴く(共感する)
⑤労をねぎらう
※「照れくさい」「当たり前」を克服しないとダメ
・「こうしなさい」と命令されるよりも
「あなたはこういうことができる人間だから」と
優れた能力や長所に気付かせて自己認識に変化をもたらす方が有効
・人望をもたらす3つの一貫性
①発言と行動
②人に対する態度
③窮地と平常時の振る舞い
・公欲をもつ
→成功する経営者と失敗する経営者の違いは私心の大きさ
能力的信頼(仕事ができるということの意味)
・PM理論
→M機能(人間関係を良好に保つ力)も強くて、はじめて「仕事ができる」
・自分がヒーローになろうとする気持ちは×
→組織全体をヒーローにする気持ちへ
情緒的対話(感情を動かす力)
・感情の状態を整える
・感情は伝染する
→立場が上の人は、下の人の感情に強い影響力がある
⇒自分の感情を管理できるようになる必要
・人を動機付ける2つのアプローチ
→「快追求型」「不快回避型」
・感情は、起きた出来事に対する意味づけによって変わる
→前向きな意味を見出して、現状に対する意味付けを変える
・ストーリーの力を助言や説得に活用する
→マーケティングや営業にもストーリーは有効
論理的対話(偉大なる理由の力)
・理由の力でモチベーションをあげる
・理由が力を持つ条件
→相手にとってメリットがあるか、正当性があるか
一番はじめに動かし導く相手
・相手が動くのを期待するのではなく、相手が動くように自分が変化する
・すべての人間関係のベースには自分との関係がある
→自分との約束を守り続ける
新たに得られた知識・情報・気づき・考え方など
- 好意の返報性、悪意の返報性
- 人間関係を良好に保つ力があって、はじめて「仕事ができる」といえる
- 立場が上の人の感情は下の人に伝染する
『リーダーのための経営心理学』を読んで実行すること
- 「照れくさい」「当たり前」を克服するように心がける
『リーダーのための経営心理学』はこのような人にお勧めします
「経営心理学」というタイトルの中身が気になって読んでみました。
職場のリーダーとして知っておきたいの「心の性質」を50個紹介してくれます。
様々なリーダー本で語られる定番事項も多いのですが、
「信頼」と「対話」、「感情」と「論理」という観点でわかりやすく整理されており
人(部下)と向き合う上での重要ポイントを体系的に確認できます。
まぁ、理屈では分かっていても、実際にはなかなか出来ないことが多いわけで
本当に反省すべき内容が多くありました。
「経営心理学」とありますが、企業経営者だけではなく、
マネージャーの立場にある人々に広くお勧めできる良書だと思います。
ということで、最後までお読みいただきありがとうございました!