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本を読み続ける中小企業経営者の読書記録

『売上目標は立てるな!』のレビュー

   

『売上目標は立てるな! 』とは

タイトル: 売上目標は立てるな! 20人までの組織をまとめるリアルマネジメント
著者:岩渕龍正
出版社:CCCメディアハウス (2013/8/29)

おススメ度
★★★☆☆
(3点/5点満点)

『売上目標は立てるな! 』の概要

こんな社長が部下のやる気を奪う

・激怒型
 →怒ることはマイナスしか生まない
 ⇒1回怒ったら100万円の損と考える(?)

・売上追求型
 →パレートの法則(2割のスタッフが8割の売上げを作る)
 ⇒8割にプレッシャーを与えるとやる気を失う

・スタッフを話をしないワンマン社長
 →相互理解がないと誤解を生み、不信感につながる

社長は予算ではなく「仕事観」を語れ

・プロセス至上主義が成果をあげる
 →決まったプロセスの通りにきちんと実行できたかどうかを重視
 ⇒結果を出すためのプロセスがしっかりできれば
  基本的には誰でも成果が出る

・売上目標を優先して喜ぶのは社長だけ

・会社をまとめるためには「仕事観」の統一が最重要

・「三つのため」の仕事観を形成する
 ①自分自身の成長のため
 ②お客様の満足のため
 ③会社の成長、発展のため(←働く人はその義務がある)

・新たな取り組みをする「意味づけ」を仕事観に基づいて話す
 ⇒会議では仕事観を語り続ける

社長は愛のムチをではなくストロークを打ち込め

・怒ってはいけない理由
 ①「今までと違うこと」「今まで以上のこと」をやらなくなる
 ②感情を優先していいというメッセージになってしまう 

・「ストローク」=「心の栄養」

 「肯定的ストローク」
  →プラスのメッセージを発信
  ⇒(褒めるのは難しいが)「感謝」なら最大の必殺技になる

 「否定的ストローク」
  →行動や意見を否定する
  →時に必要だが、残高はプラスになるようにしておく
  ⇒3つの仕事観に基づいて、改善につなげる

 「ディスカウント」
  →相手の存在を否定 ⇒絶対NG

社長はキャバ嬢ではなく部下と面談しろ

・社員の「心調管理」こそ社長の仕事
 →スタッフとの面談は「緊急ではないが重要」なこと
 ⇒放置してしまうと「緊急で重要」な問題となって表面化する

・スタッフと面談することがマネジメントである

・一人ひとりの話を聞き、3つの仕事観に基づいて意味付けする

<初回の面談の進め方>
・1人30分で時間をブロックする
・面談の目的はスタッフのやる気を引き出すこと
・事前に大義名分をしっかりと説明する
 今まではメッセージが一方的だったので・・・
 +3つの仕事観のために
・最近頑張っていること、出来るようになったことを褒めるor感謝する
・意見や考えを引き出すための質問をする
 ①会社についてどう思うか?
 ②問題点と改善点は?
 ③どうしたら会社がもっとよくなると思うか
 ④個人的に困っていること、悩みはありますか
 ⑤何のために働いているのか

<二回目からの面談の進め方>
・最近の状況、進捗
・どうしたら課題を克服できるか

<各自に目標を設定してもらう>
・具体的な取り組みにする
 (○○を頑張る、意識する系はNG)
・「今までと違うこと」「今まで以上のこと」を目標にする

ゴルフに行くなら自分がいなくてもいい仕組みを作れ

・成果が出た事例をシェア
・改善提案シートの導入
・SNSで情報共有
・求人ページの充実
・業務マニュアルの整備
・全ての仕組みを人事評価精度に組み込む
(テクニカルスキル/ヒューマンスキル/コンセプチャルスキル)

愛人の話より妻の話に耳を傾けろ

・「夫婦経営」を推奨

新たに得られた知識・情報・気づき・考え方など

  • スタッフとの面談の重要性
  • 「3つの仕事観」はシンプルでよさそう

『売上目標は立てるな! 』を読んで実行すること

  • スタッフと定期的に面談するようにする
  • 業務マニュアルを整備する

『売上目標は立てるな! 』はこのような人にお勧めします

「社員20人までの組織をまとめるリアルマネジメント」という副題が
ちょうど自分の環境にあてはまるので読んでみました。

内容的には定番の話が多いこともあり、
既に中小企業マネジメント系の本を数多く読んできた人には
新たに得られる情報は少ないかもしれません。

個人的には「スタッフとの面談」は軽視していたと思います。
仕事上で必要なとき以外は殆ど面談していませんでしたが、
その重要性については気付いたので、それだけで良かったと思います。

夫婦経営を推奨していますが、これは人の価値観によりますね・・・

どうでもいい話ですが、あとがきを読むと
著者の奥さんへの思いは伝わってくるのですが、
少しナルシスト気味な人なのかなと思ってしまいました。

私のように「あとがき」も読んでいる人は多いと思います。
プライベートな面が見え隠れすることが多い部分ですので、
キャラ設定も含めて油断できませんね。

ということで、最後までお読みいただきありがとうございました!

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