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本を読み続ける中小企業経営者の読書記録

『社長は少しバカがいい。』のレビュー

   

『社長は少しバカがいい。』とは

タイトル: 社長は少しバカがいい。~乱世を生き抜くリーダーの鉄則
著者:鈴木喬
出版社:WAVE出版 (2013/1/25)

おススメ度
★★★★☆
(4点/5点満点)

『社長は少しバカがいい。』の概要

社長は社長をやれ

・高く旗を掲げろ
 →ゴールに辿り着くには、まずゴールを明示する必要
 ⇒「社長とは決断業である」
  「社長の武器は言葉である」

・バカになって本気を伝えろ
 ⇒「イヤなことをやるのが社長だ」
  「社長とは忍耐業である」

・経営は歴史に学べ
 ⇒「経営とは戦争そのものだ」
  「挑発はするものであって、乗るものではない」

・大ボラを吹け
 →ホラも本気で吹けば現実になる

・「運」と「勘」と「度胸」を磨け
 →仕事で結果を出すために大切なのものは究極のところ熱意
 ⇒社長の思いの強さが試される  

社長はカッコつけるな

・徹底したリアリストであれ
・道徳主義のカッコよさを捨てろ
 (マキャベリの「君主論」や韓非子などが参考になる)
・「民主主義経営」の実態は「無責任経営」である
・独裁でなければスピード勝負はできない
・革命は社長にしか起こせない
・独裁にもチームワークが必要
・暴走を止めるブレーキも仕込む(社外取締役など)
・舐められたら終わり、ただし憎まれてはならない
・常に最悪を考えろ
 →「いくら得するか?」より「いくら損するか?」を考えろ
 →最悪に備えるから笑っていられる

社長は人間を知り尽くせ

・「一人勝ち」は危険である
 →勝った瞬間に危機は忍び寄ってくる

・営業のプロであれ
 →「しゃべり上手」で成功している人はいない
 →相手に気持ちよく話してもらう(「質問力」が大事)
 ⇒社長の営業力は会社力そのものである

・数字から現実を掴み出せ
 →人間が分からなければ数字は読めない
 ⇒「社長とは人物鑑定業である」

・見切り千両、無欲萬両

・反省はするな、よく寝ろ
 →社長は眠れなくなった負け
 →率先垂範を捨てる
 (理由:辻褄が合わなくなる、揚げ足を取られると面倒)
 ⇒イケシャーシャーで図太く生きる

社長は心意気を持て

・社長が現場に出ると大局を見誤る
・大将がニコニコしていれば、たいていは上手くいく
・群れるな、逆を行け
・変わり続けなければ生き残れない
・社員が話し合っている間は一言も口を挟まない

新たに得られた知識・情報・気づき・考え方など

  • 率先垂範を捨て、図太く生きることが大事

『社長は少しバカがいい。』を読んで実行すること

  • できるだけニコニコしておく
  • 社員が話し合っている間は口を挟まない

『社長は少しバカがいい。』はこのような人にお勧めします

エステーの名物社長・鈴木喬さんの本です。
当然ながら文字通りのバカではなく、現実主義をベースとしつつ、
経営者の「本気」「心意気」を説いています。
「社長とは○○業である」「○○するのが社長である」というような
格言的な文言が多く登場します。

松下幸之助さんや稲盛和夫さん系の本のような
社会的・道徳的な高尚さは殆どなく
経営者としてのリアリズムに溢れた一冊だと思います。

サラリーマン社長や、自分も含めた最近の若い経営者(?)は
豪放さや胆力といったような点は少し希薄かもしれませんね。
このような本で刺激を受けるのもよいかと思います。

著者自身の武勇伝的な成功談が多い点は気になりましたが、
これ含めても「イケシャーシャー」でということかもしれないですね。

ということで、最後までお読みいただきありがとうございました!

 - 書評, 経営(哲学系)