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本を読み続ける中小企業経営者の読書記録

『社長の掟 業績を上げ続けるための60則』のレビュー

      2020/05/23

『社長の掟 業績を上げ続けるための60則』とは

タイトル: 社長の掟 業績を上げ続けるための60則
著者:吉越 浩一郎
出版社:PHP研究所 (2014/6/19)

おススメ度

★★★☆☆
(3点/5点満点)

『社長の掟 業績を上げ続けるための60則』の概要

社長とは何か

・社長とは「何があっても利益を出し続ける者」のこと
・全体最適を徹底しろ
 情報は原則として全て社内に公開すべき
 →社員が一番効率的に働けることに繋がる(逆は疑心暗鬼に繋がる)
・社員との情報格差ゼロを目指せ
・前例に縛られるな、革命家であれ
・現場を100%把握しろ
 →悪魔は細部に宿る
・社員のやる気をアメで引き出すな
 →日本人はチームワークで成果を出してもらった方がうまくいく
 →やる気が出るのは権限を任せられて挑戦するとき
・数字と姿勢で文句を封じろ

戦略なき者は社長にあらず

・社長には即解決できる問題が意外とある
・部下に嫌われれても構わない
・組織という水を腐らせるな
 →組織を活性化するには「チャレンジ」と「レスポンス」で揺さぶる(土光さん)
・部下の能力を把握しろ
・何はなくともリーダーシップを身につけろ
 →リーダーシップは自分で経験して会得していくもの
 →試行錯誤するしかないと肝に銘じる
 →リーダーシップを手に入れるために必要な3つのこと
 ①常に成果を求め、絶対に諦めずに必ずやり遂げること
 ②部下に仕事を任せ、自ら育つ環境を設定し、報連相へのこだわりを捨てる
 ③デッドラインを導入し、残業をなくす

社長の勘違いにご用心

・社長は部下を育てられない
 →本当に重要なことは殆どが暗黙知
 →部下を育てるのは自ら習って育つ「習育」である
 →部下の失敗に対しては、怠慢でない限り怒る必要はない
 (再発防止のためのマニュアルは必要)
・話が苦手では務まらない(以下の3つに気をつける)
 ①情報を隠さない、②論理的に話す、③ユーモア
・「社長らしさ」よりも結果を出せ
・ストレスをためるな
 →仕事はゲームと考える(第三者の立場で冷静に見る)
 →ジムに通う(気力の源泉は基礎体力にある)

吉越流 社長ルール

・社長とは「決めてあげる者」
・悲観的になってはいけない
 →「悲観主義は気分に属し、楽観主義は意思に属す」(アランの「幸福論」)
・誰よりも現場主義であれ
 →「理論家で成功した奴はいない」(エステーの鈴木喬氏)
・予算の組み方を見直せ
 →根拠のない希望的観測による決め方は改めるべき
・社員を家族と思うな(戦友である)
 →会社には利益を上げるという明確な目的がある
 →義務を果たさなければ誰かに迷惑をかけるのが厳しいところ

これから社長になる人へ

・社長とは優等生では務まらない仕事である
・定時で帰れ
・現場に「出来ない理由」を与えるな
・勉強せよ
・愚痴を言わない
 →最大の権力者であり自分がやりたいと思ったことは何でもできる
 →愚痴をこぼしているような人は、だいたい上には上がっていかない
・お金にも哲学をもて
 →人生におけるお金の6原則

  1. 無限のお金を追い回して有限の人生を使うのはムダ
  2. 生きている間に使いきれないほどのお金を稼ぐのはムダ
  3. お金はそれを使ってしまうまで、あなたのものにならない
  4. 若いうちに健康を害してまでお金を追い回す
    逆に歳をとってくると今度はお金を使って健康を買い戻そうとするが
    既に遅すぎる
  5. 人間が幸せかどうかは、どれだけお金を持っているかどうかではなく
    いかに現状に満足できるかにかかっている
  6. 忘れてはならないのは、私たちはこの世に一文無しでやってきて
    一文無しで去っていくということだ

新たに得られた知識・情報・気づき・考え方など

  • 情報はできるだけ全てを社内に公開することが大事
  • 悪魔は細部に宿る

『社長の掟 業績を上げ続けるための60則』を読んで実行すること

  • 社員との情報格差ゼロを目指す
  • 仕事はゲームと考える
  • 愚痴を言わない

『社長の掟 業績を上げ続けるための60則』はこのような人にお勧めします

トリンプ・インターナショナル・ジャパンで長年社長を務めた吉越さんの著作です。
吉越流のリーダー論と社長に必要な心構えを60項目にまとめています。
19年連続で増収増益を達成された方ということですが、
さすがに歴戦の経営者ならではのリアリティがあり、説得力のある1冊です。
読みやすい本なので、短時間でサッと読み終わると思います。

奥さんがフランス人であることなどに由来した価値観や考え方もあるようで、
純・日本人的な社長の本とは少し異なる、著者ならでは視点も興味深いです。
仕事に対するスタンスなどについても参考になる点が有るかもしれません。

現役の社長はもちろん、経営者を目指す若い人にとっても
読んで損することは無いと思います。

ということで、最後までお読みいただきありがとうございました!

 - リーダー論系, 経営(哲学系)