『新訳 道は開ける』のレビュー
2020/05/23
『新訳 道は開ける』とは
タイトル: 新訳 道は開ける
著者:D・カーネギー
出版社:角川書店 (2014/11/22)
おススメ度
★★★★★
(5点/5点満点)
『新訳 道は開ける』の概要
そもそも不安と何なのか?
・もちろん明日のことは考えなくてはいけないし、計画と備えをすべき
→ただし不安を抱いてはいけない
・鉄の扉で過去と未来を閉ざし、今日という一区切りを生きる
・不安を取り去る魔法の公式
①最悪の場合、どんなことが起こり得るのか?と自分に問いかける
②必要ならそれを受け入れる覚悟をする
③落ち着いて最悪の事態を改善していく
・不安は人を食いつぶす
→不安と戦う術を知らないビジネスマンは若くして死ぬことになる
不安分析の基本テクニック
・世界にはびこる不安の半分は、人々が決断を支える基本的な知識を持たぬまま
物事を決断しようとするところから生まれる
・問題解析の基本的な3ステップ
①事実を把握する
②事実を解析する
③決断を下し、決断に従った行動をとる
・不安を打破するための4つのステップ
①何が不安なのかを明確に紙に書き出す
②自分に何が出来るのかを書き出す
③どうすべきかを決める
④その決断を即座に行動に移す
・4つの質問とその答えを紙に書き出す
①問題は何だろう?
②問題の原因は何だろう?
③どんなソリューションが考えられるだろう?
④どのソリューションがいいだろう?
不安の習慣、その先手を打つには
・仕事に没頭する(最も安価で効率的)
・些細なことで自分を見失わない
→「小さなことに拘っているうちに人生は終わってしまう」という言葉を胸に刻む
・不安に思っていることが起こる確率を調べてみる
・変えられない運命と調和する
・ストップロスオーダーをかける
→人生のために何が必要なのかを見定める「黄金の判断基準」をもつ
・ノコギリでおがくずをひいてはいけない
→過ぎた過去を悔やまない
平穏と幸福をもたらす心のあり方を育てる7つの方法
- 心を平穏・勇気・健康・希望で満たす(人生とは思考が作り上げるもの)
- 仕返しを考えてはいけない(相手よりも自分が傷つくことになる)
- 恩知らずに腹を立てず、そういうものだと受け入れる
- 苦難ではなく喜びを教える
- 人のマネをしてはいけない(自分らしく生きる)
- レモンを手渡されたらレモネードを作れないかと考える
- 自分の幸せは忘れ、人のために小さな幸せを生み出す
嫌いな相手の事は僅かでも考えないようにする(時間の無駄)byアイゼンハワー
優しい返事は相手の心を鎮める
人を許し、忘れるための確かな方法→自分よりも遥かに大事な信念に身を委ねる
批判を気にせず忘れる方法
・不当な批判は往々にして賞賛の裏返しである
→自分より高い教育を受けた人や大きな成功を収めた人間を叩くことで
歪んだ満足を味わおうとする人間は本当に多いものである
・批判を傷つかずに済ませる方法
→言われなき批判で傷つくかどうかは私たちが決めることができる
→人の上に立つのであれば、批判は避けられない。そんなものだと受け入れる
→ベストを尽くしたら批判の雨を防ぐための古傘を広げればよい
・自分の犯した愚かな過ちを記録し、自分を批判する(完璧な自分などなれはしない)
・自分にとって有益な、建設的な批判を人に求める
疲労と不安を予防して元気になる6つの方法
- 疲れる前に休む
- 職場でのリラックス法をつくる
- リラックスで健康と外見を守る
- 4つの習慣を身につける
- 仕事を楽しみ、熱意をかたむける
- 睡眠不足で死んだ者はいない
A:いま取り組んでいる仕事と無関係の書類を片付ける
B:重要な仕事から先に片付ける
C:問題に直面し、決断するだけの資料があるなら、すぐに決断する
D:計画し、人に任せ、管理することを覚える
不眠ではなく、不眠への不安が人を死へ追いやる
幸福と成功とをもたらす仕事の見つけ方
・既に人が溢れかえっているような仕事や専門職は避ける
・生活費を稼げる確率が10%程度の仕事に近づいてはいけない 他
お金の不安を軽くするには
・保険の活用
・生命保険の一括払いはダメ
・小さな副業を考える
・ギャンブルには手を出すな
など11のルールを記載
新たに得られた知識・情報・気づき・考え方など
- 小さなことに拘っているうちに人生は終わってしまう
- 恩知らずに腹を立ててはいけない
- 仕返しを考えてはいけない
『新訳 道は開ける』を読んで実行すること
- 何が不安なのかを明確に紙に書き出す
- 嫌いな相手のことは僅かでも考えない
『新訳 道は開ける』はこのような人にお勧めします
いわゆる自己啓発本の大定番の1つとされる本書ですが、
「新訳」で文庫版が出ていたので、いまさらながら読んでみました。
一言で言うと「不安への対処法」を事例を交えながら紹介してくれる本です。
そういえばユニクロの柳井さんの「経営者になるためのノート」で、
“「危機感」に基づいて経営をすべきであって「不安」に基づいて経営をやってはいけない”
という言葉があったのを思い出しました。
経営者という仕事は、つい不安な気持ちを抱いてしまう機会が多いと思います。
やはり、不安に立ち向かうためのヒントは予め学んでおくということが大事ですよね。
柳井さんもカーネギーの本を読んだかどうかは知りませんが、
「不安に思うことは紙に書き出して正体をつきとめる」とも書いていましたね。
さすがに古典であるため事例が古く違和感のあるところはありますが、
本質はいつの時代も変わらないと思います。
不安を感じやすい人は、手元にこの本を置いておくことをお勧めします。
ちなみに本の帯には、マネックス証券の松本大さんによる
「世界で愛されてきたのには訳がある。悩み多き人類の相談に答える親友のような本。」
との推薦文がありましたが、まさにその通りなのでしょうね。
どうでもいい話ですが、自分がマネックスユーザーで密かに松本社長のファンであるため
この帯には説得力がありました。
本(特にビジネス書)って、帯のコメントの推薦者が誰なのかもかなり大事ですよね。
ということで、最後までお読みいただきありがとうございました!